MesoActhys

1 エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションとは


画像をクリックすると画像が拡大します。

細胞膜は、リン脂質が二重に並んだ構造となっています。
この細胞に電流をかけると、細胞膜に一時的に小さな穴が開きます。
電流の強さにより穴の大きさ、持続時間は変わりますが、1個の細胞にたいし0.5Vから1Vくらいの短い波長の電流により、数十秒くらい穴が生じ再び修復されます。
このレベルの電流では細胞に大きな影響はなく、細胞が死んでしまうことはありません。

2 エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションとは


画像をクリックすると画像が拡大します。

この穴からDNAや薬剤を細胞内に取り込ませることができます。
この方法は、細胞に遺伝子や薬剤を導入したり、癌治療などに広く応用されています。

3 エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションとは


画像をクリックすると画像が拡大します。

薬剤や有効成分を皮膚から導入するためには、角質層のバリアーを有効に通過させる必要があります。
角質バリアーを通過させるには、角質細胞間脂質を通過する経路と角質細胞を通過とが考えられますが、角質細胞を通過するのは困難であり、角質細胞間脂質をうまく通過させることになります。

4 エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションとは


画像をクリックすると画像が拡大します。

角質細胞間脂質は、セラミドとよばれる脂質が何層も並んでいる構造となっており、細胞膜のリン脂質二重膜の構造と良く似ています。

5 エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションの原理

エレクトロポレーションとは


画像をクリックすると画像が拡大します。

細胞膜に0.5Vから1Vくらいの短い波長の電流により穴があくのであれば、角質細胞間脂質を細胞膜100枚分と仮定すれば50から100Vくらいの電流で穴をあけられるはずです。
この原理に基づく導入法が皮膚エレクトロポレーション法です。
この方法により、今まで注射を用いる以外に皮膚内に導入できなかった物質も導入可能となりました。
また導入量も従来のイオン導入や超音波導入よりも多く、治療効果もより大きくより早くあげることができます。

第二ナポリ大学、ヨーロッパ美容皮膚科、外科学会

緒言

【1】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

緒言
経皮エレクトロポレーションは、有効成分を皮膚から組織に浸透させる新しい経皮デリバリー技術であり、この技術を用いれば局所的な病変、病態の治療も可能にする。
この技術は薬理作用のある物質、あるいは有効成分を、皮膚組織の浸透性を増大させ、通過を促進させ、組織への吸収を飛躍的に増加させるような特殊な電気パルス波形を使用する事により皮膚吸収を可能にする。
治療を目的とする組織での浸透性の増大は、局所的に沈着した有効成分を、飛躍的に局部に吸収促進させる、別の観点から見れば、イオン化された有効成分は多少の抑制はされるものの、デリバリーの流量を最適化させることも可能である。

有効成分は、ゲルまたは液体状の溶液として使用し、Roll-on塗布装置により局所的に浸透される。
特効薬でない有効成分を局所的に導入する技術としては、この経皮エレクトロポレーションは局所的な病変に対応する様々な医療分野に適していると考えられる。
この新しい技術の基本的な物理的、電子的な側面の検証を、このプロジェクトの最初の段階として、メディカルプロトコル及び臨床検証の為に、美容皮膚外科学会(SCED)が組織したメディカルチームが結成された。
この時点で既にこの技術を使用することにより、急性炎症性疾患、整形外科的障害、繊維性変性、関節リュウマチ治療における良好な反応が得られていた。
他の重要な結果は、スポーツ医学領域で外傷性骨疾患、滑液包炎、筋変性などが無かった場合、特異的疾患、ねんざ、脱臼、けん引き、挫傷などによる全ての限局性炎症からの痛みを緩和したことである。

一般的に経皮エレクトロポレーションは、特に痛み治療に効果があり、全身投与(抗炎症剤、一般的な疼痛緩和剤)による他の器官、特に内臓器官に対する付随的作用をなくすことが出来る。

効果と認容性

効果と認容性

【2】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

効果と認容性
実験データと臨床研究から得られた結果から考察すると、経皮エレクトロポレーション法は効果的で且つ認容性がある。このことは、伝統的な手法(イオン導入)に比較しデリバリーの流量を増大し、膜浸透性の増加をしていることを証明している。


2.経皮エレクトロポレーション法の優位性
・付随的作用がなく、使用した薬物の全身量はごく僅かである。
・伝統的な経皮導入法に比べ大量の薬を導入する。
・薬物の高濃度は治療部位にだけ。
・短い施術時間。治療とその後の維持の為に使われる施術時間が短い。
・制御可能な治療の深さ。
・外傷性障害の欠如(血腫、斑状出血、等)
特に、臨床実験の場合、下記のような病変にたいし統計学上、有意差が見られた。
1)エディマタス ファイブロスクレロティック パニキュロパシー、下肢のセルライト。
2)皮膚のエイジング

この実験結果及びプロトコルについて、著者らは下記に報告する。

抄録

抄録

3】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

3.(抄録)
下肢のセルライトーエディマタス ファイブロスクレロティック パニキュロパシーは皮下組織の質量的な変化であり、様々な制御できない、一般的な、あるいは体質性、環境性の因子に由来する。

病状は、ほとんどの場合それほどの重要さを呈しないが、時間を経るにつれ、微小循環を妨げる場合もある。最初の頃は、主観的症状(疼痛、局所的な感覚の異常、表面及び深部の触診時のうずき)だけであるが、その後、強皮症、皮膚の弾力性の欠如、毛細血管拡張症、浮腫が形成されるくらいの水分やリンパの残留、そして最もひどい場合は、下肢の像皮病などの客観的症状を呈する。

このように、単純に結論付ければ、未治療のリポジストロフィは下肢の静脈系を妨げると言えるが、このほかに、皮膚の非審美な状態から、大きな心理的な障害がおきる可能性がある。

我々は、女性70名を2つのグループに分け、1つのグループには酸素とオゾンを皮下注射投与し、もう1つのグループには、酸素とオゾンに加えて全般的な血液循環改善剤、脂肪分解剤、浮腫治療剤などを混合して、経皮エレクトロポレーション法を使い投与した。

実験結果は次のようなパラメータを用い評価した:浮腫周囲(cm)、肌の弾力性、超音波検査、コンピュータ処理したビデオサーモグラフィ。

この臨床実験では、両グループにおいて満足できる結果を得られたが、酸素とオゾンを経皮エレクトロポレーション法を使い投与したグループのほうが、血腫形成の危険性、注射時の痛みも全く無いことから、我々は圧倒的に良い方法だと考える。

治療を行った両グループは高い認容性を呈し、不快感などの反応は見られなかった。

皮膚の老化・加齢による老化

皮膚の老化・加齢による老化

【4】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

4.皮膚の老化
皮膚は、老化現象を研究する上で最適な実験モデルである。
検体が簡単に入手できること、そして、皮膚はケラチン生成細胞、メラニン細胞、線維芽細胞などから構成された組織であり、それぞれの細胞は容易に培養することが可能であり、細胞レベルや分子レベルでの研究も可能である。

このような実験系を用いて科学的研究を行った場合、生体の生命活動を制御している体内時計による一般的な老化の法則に従った皮膚の老化、または加齢による老化とも呼ばれているメカニズムは、太陽光線照射などの体外の環境因子に強く影響を受け、照射を受けた部位は、光老化の誘因に強く影響をもたらされ、最終的には老化状態になることが確認された。

2つのプロセスが広範囲な臨床面に存在し、2つの相違した皮膚のシワを形成する。単純に言えば、細かい皮膚萎縮がみられ、進行性の皮下脂肪減少、そしてその結果としての老化があり、もう一方ではそのかわりに光老化は深いシワと広範囲にわたる皮膚の陥没、皮膚の肥厚、色素沈着異常(sun spot)そして、毛細血管拡張性失調症などである。

勿論、光線を照射された部位には上記の2つのタイプの老化が重なり合っている、どちらが優勢であるかどうかは吸収された光線の強さの累積、遺伝的要因、人種差にも依存する。


5.加齢による老化
組織学的な観点から見ると、加齢による老化とは、真皮乳頭の減少による真皮表皮境界面の平坦化と見なされる。
表皮は薄く、平坦になり、有棘細胞、そして基底層が不均一な組み合わせとなり、以前のような整然さは無くなる。このような部位での細胞は、形状、容量、色素親和性の変性、そして極性性質などが変化している。場合により、細胞は“暗く”見え、ケラチン生成細胞の欠如や壊死などの変性が見られる。
加齢とともに皮膚は薄くなり、平行して、そのかわりコラーゲン繊維密度の増加が見られる。

この密度の増加は多分、親水性グリコサミン、特にヒアルロン酸の繊維間での減少や、弾性繊維の減少に起因すると思われる。このようにして結合組織の圧縮がおき、水分の含有量の減少につながる。
さらに、分子間や分子内の架橋結合の増加、コラーゲン繊維強度の増加が皮膚の弾力を失わせると思われる。

弾性繊維の崩壊過程で、繊維はより短くなるように変形し、のう胞や空洞を形成する。
毛包は小さくなり、皮脂腺、汗腺は発育不全傾向になる。皮膚の血液循環にも、毛細血管内径、毛細血管数の減少や、基底膜の厚さの増加を伴う変化がおきる。

光老化・治療ー経皮エレクトロポレーション法

光老化・治療ー経皮エレクトロポレーション法

【5】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

6.光老化
表皮は光老化の影響をうけ、時には細胞形成異常が、多くの場合顕著にみられる皮膚肥厚を誘発する。真皮においては、弾性繊維の最大限の変性、光線性弾性繊維症が見られる。反対にコラーゲン繊維量は減少し、同時にコラーゲン溶解性は増加する。内因性老化を低減させるプロテオグリカンは、その代わりに光線性の慢性損傷を増大させる。

血管は拡張し蛇行性となり、肥満細胞症は粒状であるが一部は脱顆粒も見られ、変性現象を誘発する原因の一部となるプロテーゼの放出の可能性もある。光老化の場合には、炎症細胞が一般的に存在するが、内因性老化は法則として顕著な細胞充実度の低下の様相を呈する。

7.治療―経皮エレクトロポレーション法
この非浸襲性な方法はMicrolab BiomedicalがC.N.R.と共同開発した技術で、皮膚組織の浸透性を一時的に増大させるような、特殊な電気パルス波形を使用する事により皮膚吸収を可能にする方法である。

簡単に言えば、皮膚のエレクトロポレーションは膜貫通電位(膜電位)が0.5v-1.5v変化するような電気パルスを表皮の細胞に与えた場合、細胞の脂質二重層レベルにおいての再構築がおき、一時的な水性経路が細胞膜に形成される。その形成された小孔は電気小孔(ポア)と呼ばれている。
このような膜の変化は、通常では細胞に浸透させにくい、多種多様な親水性分子を容易に、浸透させることが可能である。一度一時的に開いた電気ポアは与えられた電気パルスの長さに比較し長時間開いたままになり、場合により、数秒から数分開くこともある。

治療目的とする組織の浸透性の増大により、皮膚深部にまでコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、など光線性損傷を制限させるのに必要な高分子物質の浸透を可能とする。

この方法は、扱いやすく安全な方法で、患者の皮膚を再生し、滑らかさをとりもどし、引き締めを行うために、医師が最適と思う特殊な治療を特定の物質を持って径皮デリバリーさせるためのものである。

患者

患者

【6】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

8.患者
この治験には50歳から68歳までの女性15名と42歳から50歳までの男性3名が参加した。
被験者全員が禁煙者。女性15名のうち6名は径閉期ではなく、残り9名の径閉期における女性は植物ホルモン、又はエストロプロゲスティンなどは服用していなかった。

患者はGLOGAUにより分類した。

TYPE III:“常にシワがある状態(老人性ジワ)“(50歳以上で、光老化が進行し、色素沈着異常、毛細血管拡張性失調症、角化症などが見られる)患者全てがこのカテゴリーに分類された。

TYPE II:表情筋の動きにつれてできるシワ(35歳から45歳にみられ、多少の光老化があり、最初の老人性斑点が見られ、触診可能な角化症、笑いジワなどが見られる)。このカテゴリーに分類されたのは男性患者1名であった。

治療前に、患者は光プローブ、毛細血管観察血流スコープを用い測定した。
色合い、組織、血管形成、などの満足できる客観的な測定を治療の前後に行った。

材料と方法

材料と方法

【7NAPOLi.jpg【8NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

9.材料と方法
この研究の主な目的は、皮下注射で注入するヒアルロン酸を、代替方法としてのエレクトロポレーションパルスにより導入できるかどうかの検証である。加齢による、張り、弾性、の損失に対してヒアルロン酸は、その再構築、及び水和させる性質がある。

数多くの研究から、生体相互作用を持つ天然ヒアルロン酸は、細胞外マトリックスにおいて再構築、及び水和作用を持ち、線維芽細胞が適切なコラーゲン、エラスチン、そして内因性のヒアルロン酸を産生するための刺激を与えることが分かっている。

ヒアルロン酸による生体再活性化作用は、30G1/2ゲージの注射針を用い、通常picotage法やnet-weftを用いている。このような手法は目視可能な掻痒性変性を3-4日残すことになる。

ヒアルロン酸のより効果的な生体再活性化作用を得るために、注射針の使用をなくするために、この研究のプロトコルではメタル電極を皮膚に密着させエレクトロポレーションパルスを使用し、そのディスペンサーにはヒアルロン酸を保持させ、制御された一定量を導入させた。

このシステムのアプリケーション技術は、電気生理学上の作用気序は次のような原理を基とした。
1)イオン導入、電気浸透
2)エレクトロポレーション、エレクトロインコーポレーション

イオン導入には低電圧の一方向電流を用い、水溶性薬物を組織に導入、電気反発力により帯電した薬物分子を皮膚バリアー、角質層を介しそして皮下深部にまで浸透させた。導入経路は、ポア、汗腺、毛包などを介し、皮膚に電流を流した後さえも、皮膚組織深部にまで薬物放出の持続を可能とする、薬物の貯蔵場所としての役割を果たす。

しかしながら、現存する導入経路(ポア、汗腺、毛包)を介して上記のような役割を果たすことは多少出来るだけである。
この主なデリバリーの障害は皮膚の高い電気抵抗であり、皮膚の最外層、特に角質層においては、エネルギーの大部分は消失する。

角質層はレンガ壁に例えられ、水溶性分子、特に帯電した分子はほとんど浸透できない。ある特殊な電界の配座により、角質層構成細胞膜に一時的なポアを形成されることが証明されている。このような一時的なチャネルの形成は、皮膚の分子、イオンに対する浸透性を増大させ、送達流量を飛躍的に増加する。

通常、現存する水性経路を介して浸透させることが出来ない分子量を持つ、生体相互作用を持つヒアルロン酸を送達させるためには、ポア形成による極性分子の短径に従って浸透させていると思われる。
このような推測を確認する為に、著者らはこのヒアルロン酸の皮膚吸収を測定した。顔の半分はヒアルロン酸を塗布後、軽いマッサージを行い、他の半分はヒアルロン酸塗布後、エレクトロポレーションを用いた。

ヒアルロン酸を塗布後、軽いマッサージを行ったケースでは、被膜の形成が皮膚のパラメータに逸脱しない範囲内で見られたが、エレクトロポレーションを用いたケースではヒアルロン酸の完全な皮膚吸収があり、被膜の形成が見られなかった、これはヒアルロン酸が皮膚に浸透したことを示唆する。

結果

結果

【9】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

10.結果
結果は、最初の施術時から驚くほど顕著であった。施術後、最善の結果を失ったのは3日目から4日目であったので、2週間毎の発作時における治療プロトコルを予定し、6週間行った。その後は6週間に一回、そして維持期として一ヶ月に一回の施術を行った。


主観的評価

非常に満足 18名
あまり満足しない 0名


VCSO評価

皮膚色の顕著な改善 0
皮膚色の多少の改善 15名
皮膚色の不十分な改善 3名

皮膚微小循環の顕著な改善 0
皮膚微小循環の多少の改善 18名
皮膚微小循環の不十分な改善 0

皮膚のはり、柔軟性の顕著な改善 18名
皮膚のはり、柔軟性の多少の改善 0
皮膚のはり、柔軟性の不十分な改善 0

水分含有の顕著な改善 18名
水分含有の多少の改善 0
水分含有の不十分な改善 0


上記の表から判断するに、パラメータの顕著な改善がみられたのは、事前に予測していた様に、皮膚のはり、柔軟性の顕著な改善と水分含有の顕著な改善であった。

考察・結論

考察・結論

【10】NAPOLi.jpg


画像をクリックすると画像が拡大します。

11.考察
臨床研究から得られたのは、柔軟性の顕著な改善と水分含有の顕著な改善は100%で、他のパラメータの改善は約70%であった。

このような方法による利点は副作用及び禁忌が無いことである(ペースメーカー使用患者、妊婦、金属製プロテーゼ使用患者は対象外)。
患者のコンプライアンスは完全であり、患者が軽い金属味を感じた以外は、治療は十分な忍認性を呈した。

現在までに得られている結果から、文献中にあるどのような医療、美容方法よりもこのエレクトロポレーション法が優っていて、電気的搬送の可能性があることから、生体相互作用を持つヒアルロン酸を皮膚に均一に送達させ、良い結果を得られる。

12.結論
臨床研究から有効性、副作用の非存在、患者に対する快適性が明白となり、伝統的なメソセラピーの代替治療法として経皮エレクトロポレーション法を用いることは、皮膚の若返り、アンチエイジングの為の生体相互作用を持つヒアルロン酸を皮膚に送達させ、非襲性の治療を求める患者に対し理想的な手法であることが本研究から判明した。